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2025年度理事長所信
2025年度スローガン
「しんか」
~変わらないもののために、変わり続けていこう~
はじめに
第51代理事長 山本 悠稀
あなたはこのまちを好きですか。と問われた時、昔の自分は好きだと伝えることができませんでした。私は、知多市で生まれ育ち、この地域に居ることが当たり前になっていました。いつからか、知多市を「地元」と呼ぶようになっていました。気づけば、私自身が他者へ知多市民であることを伝えるようになり、このまちを見ようと意識しはじめ、このまちが好きであるのだと実感しております。そう想えるようになったのは、この「知多青年会議所」の存在でした。入会当初はそんな見方が出来ておらず、ただ一所懸命に活動しておりました。どの組織に入会しても私は、結局大事なのは「人と人の繋がり」だと思っております。そんな思いの中、多くの出会いの機会をいただきました。気づけば、知多青年会議所の雰囲気が好きになっていき、切磋琢磨していく内にこの人たちとならと想えるようになり入会3年目を終え、初めて大きな役職をいただきました。役職が人を変えるという言葉があります。正にその通りだとこの時実感いたしました。それでも、決して全ての人が役職で変わる訳では無く、中には、その人のことを考えその職を与えるのも必要だと思っています。経験から導き方をこの組織で学べたことで今年は、実行できる所まで来ました。今までの私はそれを模索していくことを重きに邁進して参りました。しかしそれらをするための課題も多く存在し、今置かれている状況を理解し、課題に目を向けて行っていくためには、あらゆることに「しんか」して行かなければなりません。私は「しんか」という言葉に様々な意味を重ねています。本年度はあらゆる「しんか」をもって、明るい豊かな社会の実現を追求して、地域のニーズや社会の変化に合わせ、これからの活動に対する新しい意識や柔軟なアプローチを持ち続けるため、まちや私たちの未来を創造して参ります。
こだわりの深化「しんか」組織は進化する。
本年度は、51年目を迎え、この月日が経つまでに様々な社会情勢の変化があり、青年会議所しかない時代から青年会議所もある時代へと変化してきました。それも確かに「しんか」だと思っております。ただ時代が変わりつつある中で、私たちが青年会議所として現在も運動を持続することができるのは、明るい豊かな社会を築きあげるべく、英知と勇気と情熱を持ってまちのために運動を続けてきた諸先輩方のおかげです。この素晴らしい青年会議所を次世代へ繋げていくためには、大きく2つの課題があると考えます。それは組織としての進化と会員拡大です。
私たちはここ数年同じ仲間同士で事業を展開してきました。その仲間同士で生まれた絆はとても強固なものであり、個々の能力は、一人ひとりが原動力であり、組織のハブとなってきた人たちです。この人たちとならどんな負担でも背負っていける。それこそが私の考える気概であります。この強固な絆を持った私たちだからこそ、個々では無く組織全体を深化させていこうという考えにシフトチェンジし、やらない・できない、の考えを一度置き、やれる・できるという自信に昇華させていきます。昔は当たり前であった環境も近年の社会情勢に合わせて変化していき、様々な新しい手法を取り入れて参りました。しかしその結果、無理だ・できないと諦め、自ら成長を止めて楽な方へと進んでいってしまっては無いでしょうか。今の私たちは「進化」ではなく「変化」になってしまっているのです。確かに楽に事柄が進むならその方が良いかもしれません。ですが、当時掲げていた、「奉仕」「修練」「友情」の在り方はそんな考えだったでしょうか。何事にも大変なことを乗り越えた先に人の成長が見えて、組織が進化して来たのだと確信しています。だからこそ、私たちは1つ1つのことに対して深堀し、事柄へのこだわりを強くもって私たちは深化し続けて参ります。
その仲間たちもいずれは順番に卒業という次のステージへ上がって行ってしまうのです。それを繰り返してきたのがこの青年会議所という組織なのです。やはり次世代へ繋げていくためには拡大は不可欠です。年々会員数が減少している今をもっと理解して、この減少を止めて行かなければなりません。そのためには次世代へ繋げる未来ある若者をこの素晴らしい空間に迎え入れていくしかないのです。昔は50名以上の会員が居たのに今は10数名になってしまったのを時代だからと言ってしまうのは簡単です。その考えを改め、50名以上の青年会議所も数多く存在する中、今の私たちは少数と言えます。10数名だからできるいい所を候補者や多くの市民に運動発信していき、持続可能なより良い事業環境を築こうとする組織を目指し、組織全体を進化して参ります。
私たちの「しんか」真価を問われる時。
新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年、それによって私たちのまちや知人・友人・家族に多大な被害をもたらしました。それによって受けた被害は私たちの組織にも影響を与え、単年度制である私たちにとって、やりたいことの出来る年とは程遠い月日を経験いたしました。それでも、私たちの組織は真価が問われ、出来ることを模索し、実行して参りました。2020年から始まった次亜塩素酸水(消毒液)の代わりとなる無料配布を始め、私たちの住まう環境を良くするべく、行政・企業・各種団体等が連携をし、そのまちのために最善の対応を行ってきました。これを出来たのも、この青年会議所に所属していたから出来たのだと改めて実感しております。個人でも出来ることはありますが、やはり出来たらいいなと止まってしまうことも多いのではないでしょうか。しかし、皆がやろうと思えば思うほど、空想は実現に代わりそれを出来るのも諸団体の特権です。その結果、2020年では知多市に住まう人々に私たちの存在をより認知していただけた年になったのだと思っております。私たちは、決して自分を見せることが上手な訳ではないと思っております。ここで必要になるのが、「真の能力」と「真の価値」では無いかと考えます。私の考える真の能力とは、自分では出来なくても、他者の能力を認めてあげ、自分では気づけない一面を他者が教えてあげられる状況であります。自分の価値を他者へ伝播していくことで、私たちはこれが出来ないと広げるのではなく、これが出来るという所をもっと伝えていくことこそが真の価値であります。多種多様な私たちは一人ひとりが持っている得意分野があるからこそ出来ることは無限大なのです。
近年騒がれている自然災害。そして2024年1月1日に能登半島地震が発生したことによって多くの被害が発生いたしました。その日に状況を確認し、状況もわからないまま支援物資をすぐ募った青年会議所の動きは、簡単に出来ることではありません。だからこそ、これだけ動ける私たちをより認知していただきたいのです。これは決して、自分たちが良いことをしていると世間に広げたい訳では無く、こういった団体があるのだと頼ってもらえるきっかけになってほしいのです。だからこそ私たちは「しんか」し続けます。持続可能な未来を創造するために今一度、まちの方々へ真の能力と真の価値を伝えていける一年になるように邁進し続けて参ります。
広報の「しんか」一貫性をもって芯化する。
過去を遡れば、現在と比べて広報の手法や媒体が大きく異なっておりました。基本的な目的は今も同じで、情報や活動を多くの方々へ共有するためのものとして活用しています。昔からある手法としての紙媒体や事業や集会を通じ直接的な対話や情報の伝達を行い私たちの魅力を広げて参りました。これらの手法は現在のデジタルメディアの普及に伴い大きく変わりましたが、対人コミュニケーションや地域密着型のアプローチは今でも重要とされています。現在ではSDGsの取り組みの観点から、ペーパーレス化が進んできておりますが、それでも、紙媒体は今でも場合によっては使用されるケースが多く存在します。だからこそ古いものを無くし新しいことを取り入れやっていくのではなく、今まで培ってきた手法から学び、現在の技術を取り入れて行っていくことが効果的だと考えます。そのためにはまず、広報活動において中心となる核を明確にし、それを基に情報発信を行う必要があります。多くの人へ届く動きをしていく前に、その事柄をどこへ届けたいのか、ターゲット層の明確化を行います。そしてそれに合わせたコンテンツとしてSNSやwebサイトを活用した情報発信をしていきます。若い世代に対してのアプローチを最重要課題として、現在の時代に即した効果的なデジタル戦略を行い広報して参ります。さらには、まちの人へ届けるためには、地域連携を継続させて地域事業にも積極的に取り組んでいき、直接的な情報を伝えていけるように活動し、広報の芯化を進めて参ります。
おわりに
1974年に57名の若者によって設立されたこの知多青年会議所では、昨年度、50周年の節目を迎ました。昨年度は12名の同士でスタートアップを迎え、団結力を持ったメンバーが一丸となり記念式典並びに記念講演を構築して参りました。少人数にも関わらず、記念式典及び記念講演を行えたのも、諸先輩方をはじめ多くの方々にご協力いただけたからこそだと思っております。改めて、深く感謝御礼申し上げます。協力していただけたのも長きに渡り、組織内の協力関係を築き上げてきた人と人への繋がりが伝播していたからこそだと思います。この繋がりの重大性を今一度理解して、繋がりを持続していけるように邁進して参ります。
51年目という半世紀を終えた後の一番はじめの時代としての理事長職を賜ったことに感謝申し上げます。近年の愛知県内各地青年会議所会員の減少が進む中、私たちの青年会議所も今が危機と言えるでしょう。限られた時間(とき)の中で、これらを解決していくには、足りないものだらけです。だからと言って時間は止まることなく、気づいた時には次へと進んでいきます。全てを見つめ直す訳ではなく、今ある恩恵を、大事にしていきたいからこそ「しんか」し続けて参ります。今ある繋がりを最大限に活かせて行けるように、支えとなる同志や新たな仲間と一年間駆け抜けていきます。皆様には引き続きご指導ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。一年間どうぞ宜しくお願いいたします。
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